4月24日(土) 今日は集中講義、4時半まで、腰が疲れた。のち 自販実習生との交歓会。ビールで内藤君らと乾杯。 第三豊和寮まで行くときパブリカがドロドロに埋まってしまう。 自販の人らに押して貰ってやっと上がる。 内藤君らと9時まで雑談。 家に帰ったら深谷さんから速達が来ていた。 彼女、5月2日に婚約するそうだ。 突然僕の頭の中ではカラッ風が吹いた。 僕は自分の欲望を押さえきってしまった。 しかし、これでいいのだ。 お互いに、それぞれの道で幸せをつかもう。 夜12時半頃まで回想などの返事を書いた。 この2年間のことが眼前に表われた。
4月25日(日) 10時起床。昨日の手紙、ちょっと神経質になりすぎて きにくわなかったので、あっさり何も書かず一枚にする。 投函。きのう手紙を読んだ瞬間、心の中に、 やれやれという安堵が流れた。しかし今はまた 悔いに満ちている。人間こんなものか? 思っている事と本当の心とは別らしい。 パブリカのミッションのワッシャーを 交換する。洗車。午後気持ちの整理のため 一切をしまう。今後、本当の心の友達としてつきあっていこう。 心の友達。姿なき友達。 市長選挙。 4時半深谷さんから電話。 僕の家のすぐそばみつる屋からだ。 さっそく部屋に上がってもらう。悲しそうだった。 今までの事がマイナスにならないよう互いに話し合う。 パーカー45 EXTRA FINE をプレゼントにもらう。 栄町まで送っていったが彼女は泣いていた。僕も悲しい。
4月26日(月) 6時起床。元町社員クラブで説明後、職場へ案内される。 下塗り工場だった。僕は床塗りらしい。 給食を食べ家に帰り、7時まで寝る。 夕食を食べて8時半出発。 今日の僕の心は非常に沈んでいる。 泰子さんの涙顔を思い出すたびに僕も彼女が好きだ。 好きでたまらない二人なのになぜ結婚できぬのか? 環境のためか。これを思うと僕も心の奥底で泣けてしょうがない。 僕には家を飛び出す勇気?行動力を持たない。 彼女も諦めている。 それ故、昨日の別れが悲しかったのだ。 僕は昨日できるだけ暗い顔をしないようにした。 彼女が自分で選んだ道に迷いを感じさせてはいけないと思ったからだ。 でも僕の心は泣いた。 奥底ではあなたが好きだ、好きで好きでたまらないと泣いて訴えていた。 人生こんな矛盾おおきものか。
4月27日(火) 仕事は水研。単調な仕事なので余計、頭の中は悲しさでいっぱい。 こんな調子で朝になった。 僕の心の精算には夜勤が一番よいのか? 7時終了。9:30〜4:30明るいうちぐっすり眠る。 風呂に入ってから内藤君の寮に出かけたが留守。 坪井さんのところに行く。また10時から勤務。 僕の心の中は割に安定してきた。 結論としては各々が打ち明ける事なく、互いに愛し合っていた。 もし環境の不運がなければ、とっくに言い表していたんだが。 そしてお互いに自分の道を悟らなければならなかった。 それでお互いに現実から逃避し合った。 彼女は他の人と婚約という形をとった。 僕は忘れるために他の女の子と付き合う事に専念した。 しかしこうして日曜に逢ってみると、いかにそういう事が悲しい事かがあらためて 我々を襲ってきたのだ。
4月28日(水) 今日は2時間残業。6時間、ぶっ続けのライン作業はえらい。 9:30〜6:00、熟睡。10時よりまた作業だ。 水研3日目、指が痛い。小雨降る深夜1時、 ぞろぞろ食事をしにやってくる人々そして僕。 つくづく人生のはかなさを感じる。 水研をしていると「人生即別離」と落書きした車がやってきた。 めぐり逢いそして分かれる。これが人生というものなのだ。 このめぐり逢いのうち、ごく僅かが実る。これが人生か! 泰子さんとも、ごくフラットな気持ちで付き合ってきた。 しかしお互いに愛情が芽生えてきた。 しかし二人とも障害が多すぎる事は百も承知だった。 そして別離の運命。これも承知していた筈だ。 しかしもう逢えないと思うだけで計り知れない悲しみがあふれてきたのだ。
4月29日(木) 残業1時間で帰宅。8時5分に着く。 トースト6枚、鯨テキ2枚たいらげ寝る。 5時起床。風呂に入ってから鳥モモを食べてラジオを聞き8時出発。 水研4日目、僕の心の中に悟りが開いたのか気分も比較的晴ればれとしてきた。 そのせいか食欲も旺盛になった。 単調な仕事のうちにも頭の中で考えていることは明るい夢となってきた。 6時半に終わるまでそれほどの深刻さはなかった。 いさぎよく次のレースのスタートラインにつこう。
4月30日(金) 8時帰宅。今日から3日間連休だ。夕べの疲れをとるために眠る。 後、パブリカの小整備。カブの清掃。ガソリンを入れる。7626km。 失恋、これは失恋だろうか?降られたわけではないが、 やはり恋を失った事は失恋だろう。 僕の人生の重要な体験だろう 瞳の奥底に何か新しいものが光り出した様な気がする。 これでいいのだ。このような悲しい事はまだまだ起こるだろう。

画面をタッチすると前ページに戻ります