山カラ各位殿
大変遅くなりましたが、7月18日〜21日に実施されました
中房温泉から槍ヶ岳への表銀座縦走の軌跡についてご報告します。
非常に厳しい道のりかつ天候でしたが、その分メンバー全員が
長距離歩行に自信がつき、体力的にも相当UPしたと思われます。
参加者の皆さん、写真がありましたら野村さんへ送ってください。
以下が、今回の回顧録になります。
◇中房温泉〜燕岳〜大天井岳〜赤岩岳〜西岳〜槍ヶ岳〜新穂高
〜7月18日(金)〜
7:00 天候はどんより曇り空。しかも、前泊組みがまさかの10分遅刻。
8:30 中房温泉登山口に着いたら、早速の雨。準備運動をしたものの、
天気が思わしくないせいか、テンション上がらず荷物が重い。
そうは言っても、槍ヶ岳縦走のスタート!
9:30 第一ベンチに到着。初っ端から結構な登り。とうとう雨も本降り
となり雨の量は半端じゃなく足元に川ができるまでになった。
天気予報では、こんなに降るなんて言っていなかったのに。
10:40 第二ベンチに到着。相変わらずの大雨でペースもどんどんダウン。
あれっ?!瑞恵さんの足が止まった。。。
顔色も良くないし、大丈夫かな?
11:40 富士見ベンチ到着。祈りが通じたのか、晴れ間が見え隠れし始めた。
富士見って言うくらいだから、富士が見えるのかな???
12:30 合戦小屋到着。予定よりも一時間遅く到着。
今日はかなりの長丁場になるのでさすがに焦る。
燕岳山頂はあきらめて、そのまま大天井岳に向う案も検討。
昼食をとって、少しでもパワーを回復しよう。
でも、瑞恵さんの体調が心配だ。とりあえず、荷物を分担しよう。
13:00 合戦小屋を出発!ここからが正念場。
アルプス3大急登のひとつと言われる
だけあってさすがにきついぞ。みんな息を切らして登る登る。
14:40 燕山荘に到着。
小白先生とも相談して、体調優先,初日ということもあり、
予定を変更して燕山荘に泊まることにした。
まずは、瑞恵さんの体調回復を願い休んでもらうことにした。
15:00 元気組みは、燕岳山頂を目指した。
切り立った荒々しい岩々の中に、繊細さが見え隠れする非常に奥深い
景色と、晴れ間とガスの入り混じった
中で山々の美しさを見た。
久しぶりに心が洗われた瞬間だった。
16:30 燕山荘に戻り、下界から持ってきたビールに舌鼓。
「きゃぁ〜、う、うま過ぎるぅ〜」
田中副会長の「足りないよ・・・」の一言で、夕食の宴になだれこむ・
17:00 夕食&飲み。。。ビールにワインにウイスキーに焼酎。
相変わらず飲む飲む飲む。
山小屋オーナーの素敵な話を聞きながら、いい気分。
19:30 槍の夢を見ながら就寝。。。
〜7月19日〜
4:00 快適な山小屋であり、全員ぐっすり眠れた。
瑞恵さんの体調も回復したようだ。
よかったよかった。
しかも、今日は快晴!!
槍方面を見ると、槍ヶ岳の右肩に満月が・・・感動。
日の出は4時40分。山小屋のおねぇちゃんが、日の出と共にエンヤの
CDをかける。
う〜ん、演出するねぇ。
5:20 さっ、準備運動して燕山荘を出発!!
6:30 大下りの頭に到着。ガレバに鎖と思った以上に厳しい道のり。
だけど、今日は最高の天気なので、みんなの足取りも軽い軽い。
コマクサが辺り一面に咲いている。絨毯のように綺麗だ。
コマクサは、根を下ろしてから花が咲くまで15年くらい掛かるらしい。 根っこは2m?!すごい。
そのころ、杉野幹事が元気に登り始める。
きっとキャッキャはしゃいでいたことだろう。
9:30 大天井ヒュッテ到着。どんどん槍が近くなるのが実感できる。
わくわくするねぇ。
だけど、既に予定より1時間遅れ。
このままだとヒュッテ大槍には17時過ぎそうだ。
暑いけどまだまだ行ける。
そのまま皆歩き出す。
10:00 どんどん歩くと、シナノキンバイ(黄色の花)やハクサンイチゲ(白色の花
の花畑がチーム山カラ 槍ヶ岳隊を迎え入れてくれた。
優しい気持ちになったかな?
2800mまで来た。だけど、ビックリ平まで200m一気に下る。。。 ビックリだ。
11:00 赤岩岳山頂にて昼食!目の前に広がる槍ヶ岳を見ながらの昼食に
一同感激。
それにしても暑い暑い暑い。
日差しがジリジリ。このあと、日焼け止めを塗らなかった
人に田中副会長、小西さんに悲劇が(手の甲がパンパンに膨れ上がる
ことに。。。)
12:30 ぐったりしながら、ヒュッテ西岳に到着。
500円/個のハーゲンダッツで涼む。
ヒュッテ西岳オーナー曰く、「ヒュッテ大槍までは5時間は掛かるな」
「・・・ほんと?!・・・」
13:00 ヒュッテ大槍に向けて出発。最初から激下り。
今度は一気に500mも下る。
せっかくここまで標高を稼いだのに。
なんてことだ。
疲れた体にこの現実。
みんなの落胆振りがひしひしと伝わる。
13:30 齋藤幹事長と岡田幹事が、トレーニング兼状況確認のため先行して
ヒュッテ大槍を目指す。
14:30 あれ?道あってるか?迷ってないか?う〜ん、あってるよなぁ。
そんな会話の中で先発組二人は、先を急ぐ。
後発組が迷わないことを願いながら進む。
15:00 うわぁ、いきなり垂直に20m下るハシゴ???その廻りは断崖絶壁。
山カラってこんなハードだったか?えっ、今度は垂直登りのハシゴ?
滑落だけはいやだぁ。一歩間違えれば大変だ。
全員無事に下山しないとね。
15:40 先発組二人がヒュッテ大槍に無事に到着。足はパンパン。
齋藤幹事長が皆を救ってくると言って、荷物をおいて、今来た道を
逆戻り。(男だねぇ)
そこへ、岡田幹事の携帯が鳴る。
「杉野です。僕見えますか?」
「はっ?」 そこへ、山小屋の兄ちゃんが「槍の頂上でタオル振ってる
奴がいる!」
「まさか?!ひょっとしてタオル振ってる?」
「いやぁ〜最高っす」 うれしそうな杉野幹事の声がこだまする。
17:15 後発組の6名も無事に到着。皆さん精も根も尽き果てた感じではあるが、
どうにか、やったぞをいう自信に満ち溢れた顔をしていた。
19:00 夕食後、ニュースを見た。
本日、梅雨明けしたらしい。夏本番開始!!疲れもピークに達し、
明日の槍ヶ岳頂上の夢を見て就寝
(白石さんは、滑落する夢にうなされていたようだ。)
〜7月20日〜
4:00 起床。体がだるい。
4:30 あらら???こんなに近くにあった槍が見えない。ガスってる。
おぉぉ〜おまけに雨が降ってきた。泣ける・・・
5:30 とりあえず、杉野幹事の待つ槍ヶ岳山荘を目指す。
台風並みの風の中、稜線を歩くのは危険であるため、
殺生ヒュッテ経由で槍ヶ岳山荘を目指した。
6:00 いきなり、雪渓を横切る。おぉ怖い。滑ったら・・・(汗)
6:45 杉野幹事の出迎えにより山荘に到着。だけど、天候は一向に回復せず。
7:00 風が強いため、安全を最優先し下山を決意。苦渋の決断であった。
10:00 2700mまで降りたら日が差してきた。気持ちいい。
11:00 槍平小屋にてワインつきの昼食。
すっかり山頂に行けなかったことを忘れてた。
だらだら、、、だらだら長い道のり。。。
16:30 足が痛くなりながら、全員新穂高に到着。
無事に全員が下山できたことに感謝。
17:30 双六荘に到着。極上風呂に極上飯に極上酒・・・疲れた体をすっかり
癒してもらった。
憧れていた槍ヶ岳を眺め、一歩一歩どんどん近づき大きくなってきた。
最後の最後に天候に裏切られ、自然の偉大さを痛感した3日間でもあった。
近くて遠い槍。そんな言葉が似合う夏の始まりにふさわしい山行であった。
山カラ幹事 岡田